Diabetes

【内科】糖尿病診療

糖尿病についてのご案内

茅ヶ崎ファミリークリニック 糖尿病診療

糖尿病は世界中で増え続けており、心筋梗塞、脳梗塞、腎不全(透析)といった深刻な合併症の原因となる病気です。ここでは、2型糖尿病、1型糖尿病、妊娠糖尿病について、できるだけわかりやすく説明します。

現代医学の父、カナダの内科医師のウィリアム・オスラーは「人は血管と共に老いる。」という有名な言葉を残しています。

糖尿病という疾患に触れ、その患者様にあらわれる多彩な合併症の数々をまえにすると、その言葉を思い出させられます。

そのメカニズムは未だ謎が多いですが、高血糖にながいことさらされると、人の血管は傷んでしまうのです。とくに細い血管、微小血管が先にやられてしまいます。

糖尿病の怖いところは、微小血管(細い血管)が重要な臓器、とくに「神経・目・腎臓」を痛めてしまうところです。よく健康教室では、「”しめじ”と憶えましょう」と言っています。

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糖尿病とは何か

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖値)が長期にわたり高い状態が続く慢性疾患です。人は食事を摂ると血糖値が一時的に上がりますが、通常は膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」によって血糖値が正常範囲に調整されます。糖尿病ではこのインスリンの作用が不十分になり、高血糖状態が持続してしまいます。

血糖値が高い状態が続くことで、血管内皮や神経組織に障害が起こり、全身の臓器に深刻なダメージが蓄積されていきます。特に細い血管が集中している目、腎臓、神経などは影響を受けやすく、糖尿病は単なる血糖の異常ではなく、全身性の病気といえます。

糖尿病の発見と症状

糖尿病の初期段階では自覚症状がほとんど現れないため、健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘されて初めて気づく方も少なくありません。高血糖状態が進行するにつれて、以下のような症状が現れやすくなります。

喉の渇きが強くなる、水を多く飲む、尿の量が増える、夜間に何度もトイレに起きる、体重が急に減少する、疲れやすい、手足のしびれやむくみ、視力の低下、肌の乾燥やかゆみなど。これらは高血糖によって体内の水分バランスが崩れたり、神経が障害されることによって生じる症状です。

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糖尿病のリスク因子

糖尿病は大きく分けて、遺伝的要因と生活習慣による環境要因が影響しています。日本人は欧米人と比較してインスリン分泌能力がもともと低いため、糖尿病を発症しやすい体質であるといわれています。

さらに、日常的な運動不足、偏った食生活、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、過度の飲酒、ストレス、加齢などが糖尿病発症のリスクを高めます。体型が標準的であっても、過去に肥満だった方や、家族に糖尿病の方がいる場合は注意が必要です。

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糖尿病の分類とそれぞれの特徴

糖尿病には主に3つのタイプがあります。

1型糖尿病は自己免疫によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが分泌できなくなる病態です。小児や若年者に多く、インスリン補充療法が生涯にわたり必要です。

2型糖尿病は日本人の大多数が該当するタイプで、生活習慣の乱れや遺伝的体質によりインスリンの作用が低下したり、分泌量が減少したりして発症します。初期には無症状のことが多く、放置すると合併症が進行します。

妊娠糖尿病は妊娠中に初めて発見される糖代謝異常で、出産後に正常化することもありますが、その後2型糖尿病に移行する可能性もあるため、出産後も継続的なフォローが必要です。

糖尿病による代表的な合併症

高血糖によって血管や神経が障害されると、様々な合併症が引き起こされます。

糖尿病神経障害は、手足のしびれ、痛み、感覚の鈍化、場合によっては胃腸障害や立ちくらみなどの自律神経症状も現れます。糖尿病網膜症は、網膜の細小血管が破れたり詰まったりすることで視力が低下し、進行すれば失明の危険もあります。定期的な眼科検査が重要です。

糖尿病腎症では、腎臓の濾過機能が低下し、尿中にタンパクが出るようになります。進行すると腎不全となり、人工透析が必要になる場合もあります。

また、動脈硬化の進行により、心筋梗塞や脳卒中、末梢動脈疾患などの大血管障害も引き起こされます。これらは命に関わる重篤な疾患です。

当院における糖尿病の診療内容

茅ヶ崎ファミリークリニックでは、糖尿病の予防、診断、治療、そして合併症の管理までを包括的に行っています。まずは血糖値やHbA1c、尿検査、腎機能、脂質、肝機能などの血液検査を通じて病状を把握し、必要に応じてインスリン分泌能の評価も行います。

診断後は、患者様の生活背景に合わせた治療計画を作成し、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて継続的に血糖管理を行います。生活習慣改善が治療の基本であり、管理栄養士による栄養指導や運動習慣のアドバイスも受けることができます。

薬物療法では、内服薬(DPP-4阻害薬、ビグアナイド、SGLT2阻害薬など)や注射薬(GLP-1受容体作動薬、インスリン)などの中から、病状やライフスタイルに合った薬剤を選択します。最近では週に1回の注射で血糖コントロールができる製剤もあり、負担を軽減できます。

合併症の早期発見と予防のため、当院では眼科、腎臓内科、神経内科、循環器内科などの専門医療機関と連携して診療を進めています。

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骨密度測定による糖尿病と骨の健康の評価

糖尿病の患者様では骨密度が低下しやすく、骨折リスクも高くなることが知られています。特に高齢の2型糖尿病患者では、転倒や骨折がそのまま寝たきりにつながることもあり、骨の健康を守ることも非常に重要です。

当院では、超音波式法の骨密度測定機器を活用し、骨粗鬆症の早期発見と予防に努めています。検査は痛みもなく、短時間で結果がわかるため、糖尿病の定期フォローの一環として多くの患者様に受けていただいています。

糖尿病に勝つための戦略

糖尿病は一度発症すると長期的な管理が必要になりますが、適切な治療と生活習慣の見直しにより、健康的な生活を維持することが可能です。当院では、患者様が病気を正しく理解し、前向きに治療と向き合えるようにサポートします。

糖尿病の基本的な対策は、以下の通りです:

  • 1脂肪を減らす
    まずは食事制限やウォーキングなどで、どれだけ血糖値が下がるか様子を見ます。
  • 2薬の利用
    脂肪が減った後も血糖値が高い場合、インスリンの分泌を少し増やす薬を使用します。
  • 3糖を排出する薬
    尿から糖質を排出する薬で脂肪を減らし、根本的な対策を講じます。(膀胱炎を繰り返す場合は適切な対応を考えます)
  • 4食欲を調整する薬
    胃腸の動きを緩やかにすることで満腹感を持続させる薬を使い、食欲をコントロールします。(暴飲暴食しない限り、非常に効果的です)
  • 5入院による集中的な治療
    これでも血糖値が下がらない場合は、2週間程度の入院治療を提案し、健康寿命の延長を図ります。

このように、患者様と医師が一緒になって治療に取り組むことで、血糖値を下げることが可能です。

最後に強調したいのは、「早めに血糖値を下げて膵臓を休ませ、その間にダイエットや食事の改善に取り組む」ことが最適な解決策だということです。

健康診断で異常値が出ているにもかかわらず、なかなか病院を受診されない患者様が大変多いです。私たち医療従事者は、異常値を放置することがどれだけ危険かを周知する責任があると感じています。怖がらないでください。心筋梗塞、脳梗塞、透析などの大事になる前に、血液をきれいにすることが何よりも大切です。

少しでも異常値が出たら、ぜひご相談ください。糖尿病は生活習慣病ではございますが、私たちは決して患者様の現在の生活を否定したり、頭ごなしに否定することは絶対にありません。

リラックスしてご来院ください。ちがファミスタッフ一同、心よりお待ちしております。

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